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movie review

映画レヴュー

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

π(パイ)   1997 アメリカ
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世界の秩序は全て数学で解き明かせると信じた天才数学者のお話。
実際にこういった数学者や哲学者、芸術家はけっこう居ます。

 
数学的な深入りがなく拍子抜け感は否めません。
しかし、フィボナッチや黄金比という俗世の均衡という面にスポットを当て、
スタイリッシュに仕上げた監督の腕は一見に値。

この映画を保たせてるのはやはり、当時のテクノ界の一流が集ったBGM群でしょう。
とにかく音楽がカッコいい!
​⭐️3.0
ヴィトゲンシュタイン 1993 イギリス
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一時期熱心に研究した
ウィトゲンシュタイン。
ネオダダやポップアート、
ニューペインティングの芸術家達にも多大な影響を与え、実は私はそっち方面から彼に辿り着いた。

此処は映画のレヴューを書く場なので、哲学的な事をだらだら書いたって
仕様がない。

まず言えるのは詰まらない映画である。
起承転結はない。
夢の中のような浮遊感が始終続く。
でも私は泣いてしまった。

こんな事を言ってしまうと元も子もないのだが、分かる人には分かってしまい、分からぬ人には生涯分からない。
分かる人は涙が出るが、分からぬ人には極限に詰まらないというだけのこと。
哲学なんてそんなもの。
だから数少ないウィトゲンシュタイン
フリークにはオススメし、それ以外の方には口が裂けてもススメしないよ。

余談。
私は彼と同じ誕生日なのだよ。
変な親近感がある。
だからといってなにもないのだが。
⭐️2.5
テキサスチェンソー 2003 アメリカ
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悪魔のいけにえシリーズは全て見てます。
好きすぎてヒューイット家の
プリントTシャツを外から取り寄せたり。

初代は映画史に燦々と
輝くホラー映画の金字塔、全てにおいて桁違いの恐さ、と語り継がれてきた名作。

そして2003年、
我々が忘れかけていた頃に急に蘇ったレザーフェイス。

公開当時まだ10代だった私は
初めてトラウマという現象にかかるのだ。
夢にレザーフェイスが出てきた時の
絶望感は一度でも観た方ならお分かりのはず。

その後あらゆるホラー映画を
見てきたが、いまだにこのテキサスチェンソーを超えるホラーには出会っていない。

徹底した殺伐とした雰囲気作りから、
死をも超える絶望、常で異様な登場人物、迫り来る迫り来る奴。

当時レンタルDVDのパッケージには
「何人で観ても恐い!」と謳ってあった。

ぜひお一人で部屋を真っ暗にして
ご覧あれ。
 
⭐️4.2
野火  2014 日本
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私は食べる事が大好きだ。
料理も大好きだ。
外食も食べ歩きも大好きだ。
私は余生を「食べる」ということに特化した日々を過ごそうと決めている。
その為には「食べる」とは何か?
と知っておく必要がある。
それらを知る教科書の1つとして、
この映画を挙げる(1番左端にある教科書だが…)。

これは凄惨で悲惨な食の映画だ。

原作とあわせて我が子にもいづれ
見せようと思う。
⭐️3.4
君の膵臓を食べたい 2017 日本
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小説>実写>アニメ

私的にはこの順でした。

実写を見たならアニメ観なくていいし、

アニメ見たなら実写観なくてよいw

くらい双方代わり映えない。

 

内向的な彼が、余命僅かで天真爛漫な

彼女に徐々に惹かれていくってベタな

設定だが、裏テーマとして

「誰しも死と隣り合わせ」

が設定されてますね。

これは原作小説読むと分かりやすく感じますが、映画だとどうしてもお涙頂戴に行きがち。

 

タイトルがきっちりキーワードになる

映画。

​⭐️2.1

​福福荘の福ちゃん 2014 日本
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大島さんの男役はリチャードホールのおどやんで何度も観てるし、森三中のコントでも度々ある事なので、違和感なく?w入れた。

なまっててすっとぼけた表情は彼女が生み出したお笑いの武器ですが、今作もナチュラルオヤジを演じきってて笑ける。

キャラクターとして愛着。

 

ストーリーそのものは淡々としてるので、流し見してしまう場面もあり、基本大島さんを観る作品。

 

とことん女を捨ててきた森三中大島のバックグラウンドがあって培われた存在感。

外国の方が観たらどう思うのかな??

⭐️2.2

ジョン・ウィック:​パラベラム 2019 アメリカ
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スピードほど大ヒットしたわけでもなく、マトリックスほど知名度があるわけでもないキアヌンの連作。

 

1、2も鑑賞済。

 

バンバン頭撃ち抜く(が血みどろ感はない)爽快感アクション。

 

こーゆー何も考えずボケッと見れる映画

好きだなぁ。

⭐️3.8

ザ・ウォール 2017 アメリカ
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人は視覚に脅威を感じ取れない時に最も恐怖する。

 

ライオンに狙われたウサギの構図が最後まで続くようで、細い緊張の糸が始終ピンっと張ってるような映画。

 

「やった!」って思った矢先に

「あぁ…」ってなるやつ。笑

⭐️2.8

劇場 2020 日本
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世界一と信じた自身の作品を

世界の誰からも認められない。

そんな中たった1人の人だけが

信じ認め、「すごい!」と言ってくれる。

 

それだけが支えであり縋りであっても

その関係性に限界は必ずやってくる。

これは体験した者にしか分からないので、

原作者の経験だろうか。

 

劇中繰り返される

「いつまでもつだろうか」

というセリフは、制作する者の葛藤とそれを懸命に支えようとする者のジレンマの表れに思えた。

 

作品全体は売れないクリエイターあるあるで構成。

まぁよくある話っちゃよくある話。

後半はまだしも前半は演技がうまい、とは微塵も思わなかった。

こーゆーのが「うまい」って言うのか?

よく分かりません。

 

今作の場合、男がクズで女が良い子って解釈が一般的だろうか?

しかし劇中でヒロインはどんな暴言や仕打ちを受けても自身の無力さを嘆くのだ。

必死に理解しようともがくが、どうしようもなくて精神に支障をきたす。

「彼」について行けなくなってしまった

時点で自分に否があることを彼女自身が知っている。

よって「自分(女)が悪い」構図が遠回しに成り立ってるのはよく分かった。

 

売れない作家や芸術家にとっては

この上なく最高のパートナー像を演じてます。

 

東京で一度でも夢を目覚したことがある人には、青春群像劇として刺ささるかも。

⭐️3.5

思い出のマーニー 2014 日本
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私情でだいぶスコアの変わる映画。

というのもお婆ちゃん子の私には涙なしには見れなかった(笑)

 

宮崎駿のジブリが濃厚豚骨味噌ラーメンなら米林宏昌の作品はあっさり塩ラーメンって感じだろか?

しかししっかり下ごしらえと数種の出汁をとっているので、決して薄っぺらくならずに見終わりには満腹感にも似た幸福感がある。

 

その後の米林作品には多少低の評価を付けざるえないが、今作については完成度高し。

⭐️4.0

W00D JOB! 2014 日本
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ダメ男が林業通して成長していくほのぼのコメディ。

シチュエーションが自然や田舎を感じれるので気持ちいい。

 

実際の林業はここに描かれている何倍もきつい仕事なんでしょうが。

 

ラスト、漫画みたいにバカで笑った。

⭐️2.8

POLLOCK   2000 アメリカ
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アメリカ美術史においてトップ10には必ず入る有名かつ伝説的な画家。

当時ヨーロッパが主流だったアートの流れをアメリカに引き寄せた立役者であり、アクションペインティングという独自のジャンルを確立した。

 

全体的に落ち着いた大人な映画。

大人な恋愛。

ポロックの狂気が色味を加える。

社会不適合者だから絵描きになるしかなかった典型的な例であり、献身的な理解者がいた事も芸術家あるある。

 

今や億単位の値がつくポロック作品。

「なんでこんなのが?」

「私でも描ける」

「ただの落書き」

と揶揄する声は後を絶たないが、

誰もポロックのようには描けなかった。

「ポロックじゃん」と言われるのがオチだからである。

それほどまでに類稀なオリジナルティを放った絵画作品はそうそうあるものではない。

だから価値があるのだ。

ただ単に絵の具を垂らしてるだけに見えるが、実物を凝視すると念蜜に構図や色彩を思慮している事も分かる。

 

刹那を凝縮したポロックの作品群は、やはり芸術家そのものの生き方に他ならない。

その部分を映画で表現できていることは称賛に値する。

​⭐️3.8

ホテル・ルワンダ 2004 
イギリス・イタリア・南アフリカ
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1994年。

私がお菓子を食べながら友達とバスケットして遊び呆けていた小学生の頃、東アフリカのルワンダ共和国では100日間で100万人が命を奪われる大虐殺が起こっていた。

考えられるだろうか。

一国の一部の地域で1日平均1万人が殺されるという非常。

 

積年の恨みは水面下で着々とジェノサイドの礎を築き、表面張力が張り裂けんばかりに一気に放出された。

見た目では判断出来ぬ同人種の2つの部族の一方が、家や庭に転がっていたナタや斧を手に取り、昨日まで「おはよう」と挨拶を交わしていた隣人を惨殺してまわる。

 

今作ではそれら虐殺のシーンは一部あるものの、焦点は虐殺される側の部族を1000人以上救ったホテルマンに当てられる。

 

ルワンダ大虐殺だけに限った事ではないが、ジェノサイドとというメカニズムを考えた時、どうしてこうも人は残虐になれるのか、平和ボケの私には思案に余る。

 

歴史、政治、情報、集団心理。

これら全てが負に働いた時、いとも容易く人は殺人鬼になれるのか。

 

日本に住む私達はこれら負の歴史を知る事ができる手段を持っている。

それは今作のような映画であったり書物であったり、手っ取り早くネットであったり。

それらをまず「知る」ことがこそが「出来る事」の一歩目だと気付かせてくれた作品。

⭐️3.0

ヴェノム 2018 アメリカ
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マーブル…

なんでいっつも前フリ長いん?

こんなもんはじめっから

ばんばんヴェノム出して、

たっぷりCG使って

たっぷり爆薬使って

ストーリーなんてあってないくらいで

いいのに、なにをグズグズグズグズ

やってるの。

アクションシーンも方程式通りで退屈だった。

⭐️1.0

モリのいる場所 2018 日本
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「仙人」と呼ばれた日本の画家、熊谷守一晩年の日常。

 

映画の舞台ともなった自宅は現在改装され氏の美術館となっており、私も2度ほど足を運んだことがある。

 

地主の家に生まれ慶應に入学したり、二記会創設者の1人であったり、文化勲章に選ばれたり。

これだけ聞くとまるでエリートだが、実物はそういった事を全てかなぐり捨て、自分だけの宇宙で生きた変人。

 

アリが歩けば地面に這いつくばり観察し、雨が降れば落ちる雨を何時間も見続けた。

そしてそれがそのまま絵画作品となる。

 

山崎努さんと樹木希林さんの夫婦掛け合いが、実際ほんとにこんな感じだったんだろうなぁと微笑ましく観てしまう。

 

観賞後、無性に作品が見たくなる。

⭐️2.2

ミニスキュル(森の小さな仲間たち)   2013 フランス
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言語も字幕もない虫世界。虫大戦。

虫語??みたいな軽快な音はでてくる。

CGと実写のハイブリッド作品。

もともと5分ぐらいのショートアニメの

映画化。

 

愛くるしく個性的にデフォルメされた

キャラ達で虫が苦手な方も見れると思う。

 

子供は夢中でゲラゲラ笑いながら観てるが、大人もクスクスいつの間にか観てしまう、そんな作品。

⭐️3.0

あの頃、君を追いかけた 2018 
​日本
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台湾原作?

よく分からぬまま

予備知識なく鑑賞。

 

キャストは…

auの女の子以外分からない。

でも主役の男の子いいね!

ヒロイン役の子、

CMで見るくらいでよく知らなかった。

けど、

こうして青春映画の中の映像として観ると、うん、なるほど、ファンになってしまう男子校生の気持ちは分かるし。

「顔が小さい!」ってのもよく分かった。

演技も期待してなかったが、とくに悪くなかった。

 

ストーリーはこれといって特記なし。

初恋みたいな感じから始まって、

成長するにつれてぶつかって、

お互い大人になって、

みたいなよくある話し。

 

初恋青春ものの難点、

というか欠点だが、

どうしても前半のキュンキュン感とか、

青さとかもどかしさをたっぷり味わうと、

後半の失速感が否めない。

成長して大学、社会人になってく過程で、

本人達同様に鑑賞してる私自身も

冷めていくのだが、

今回もやはりそうだった。

 

ラストの超濃厚接吻は笑笑笑

⭐️2.2

ザ・トライブ 2014 ウクライナ
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うーん、革新的かつ実験的でやられる。

観ちゃう。

そりゃ観ちゃうよなぁ。

 

この映画で新しい世界を観れたと思ってしまう私は、やはり、障害を持って生まれた人達の日常にどれだけ無知なのかを思い知らされる。

 

いやいや、そんなベタなレヴューはどうでもよい。

そんな事よりこの圧倒的オリジナル。

こりゃもう映画そのものがマイノリティになってるし、まさか途中から芸術を形成してて、個みたいで恐れ入った。

⭐️4.0

ザ・インフェルノ 2017 チリ
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かなりヤバいと聞いて観たが…

 

冒頭の

 

親父が

息子に

母親を

○○○させ

親父が

母親の頭○○○○

息子○○しながら○振る

 

シーンで、「ヤバいな」って思ったがその後のグダグダ感とB級感で、見事最初の衝撃を打ち消してくれる残念無念な作品でした⤵️

後半はYouTubeで栗原はるみ見ながら

流し見。

ただスプラッタ免疫ない方はやめましょう。

⭐️1.0

パッション   2004 アメリカ・イタリア
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イエス・キリスト最後の12時間。

 

凄惨たる拷問の挙句、死の間際、彼の放った言葉に全ての慈愛がこもっている。

 

「父よ、彼らを許したまえ」

 

それはすなわち赦す。

 

許せない事だらけの世の中で、許す事の難しさを考える。

でも許した時に初めて自分自身も赦されるんだと思う。

とっても難しいことだけどね。

⭐️3.5

スウィート・ノーベンバー 2001 
​アメリカ
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「2度と見れない映画」

ベタな設定ですが、キアヌンとセロリンとエンヤンだけで面が持ちますな。

公開当時高校生だった私は「こんなん好きや〜」って、胸キュン(死語)してまして。

 

ラスト、マフラーで目隠ししてお別れするシーン。

 

これに影響された私は、当時の彼女と別れる時に実行したのだった。

青春とはイタさなのである。

 

彼女は「さらわれる!」と思ったのか、めちゃくちゃ抵抗してぐずぐずになった思い出。

 

「ちょっ、ちょ、な、なに??なんなの?巻く??なに?え?やめて!」

 

しかもお洒落マフラーではなく「なか健康センター」と書かれた手ぬぐいだった。

 

今思うとクソ田舎のガキにキアヌリーブスのマネ事などちゃんちゃらおかしく、当時に戻れるならその手ぬぐいで自分の首を締めてあげたいです。

 

そういった意味で2度と見れない映画となりました。

⭐️2.6

ちびまる子ちゃん  1990 日本
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ちびまる子ちゃんは全巻持ってて何度も読んではケタケタ笑ってる癒しの漫画。

近年アニメはさくらももこ以外の作品も多く、特有のブラックユーモアが少なくて寂しい。

 

今作はさくらももこ全盛期、渾身の作。

アニメ特有の歌や踊りのミュージカル風な表現や、しっかり振ってオトすお笑いセンス、お決まりの顔に縦線(笑)

そうそう!さくらももこのちびまる子と言えばこれこれ!的な。

 

私も小学校転校した身。

大野くんのような友人が前の学校にいて、毎日遊んで毎日先生に怒られて、それでお別れの時に2人して涙を我慢したのを昨日の事のように思い出す。

 

大人になっても小学生の頃の何気ない日常、その中の楽しい思い出だけを蘇らせてくれる「ちびまる子ちゃん」は、やはり、最高なのだ!

⭐️3.8

ヤコブへの手紙 2009 フィンランド
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とある一人暮らしの盲目の老牧師と死刑囚の女の交流を描いたお話。

 

死刑囚の女はある事がきっかけで釈放され、その後老牧師の元で彼に届く手紙を読んでは返事を書くという不思議な仕事に就く。

 

80分弱というほとんどドラマのようなボリュームだが、なかなかよくできた映画で考えさせられるものがあった。

 

老牧師はだいぶ年老いているが、今まで幾多の悩める人々、困った人々、人道を外れた人々を救ってきた。

 

全ては信仰と神の名のもとに。

 

神が自分を通じて、自分を使って人々を助けてると心より信じていた。

人々を救う事が自身に課せられた役目だと。

しかしある事がきっかけで彼は気付くのだ。

神の名のもとに人々を救っていたと思い込んでいたが、実は人を救う事で一番救われていたのは自分自身であったと。

神が自分自身に与えてくれた「救い」とは人々を救う行為そのものだったのだ。

 

ではどうして他人への救いが自身への救いになるのか?

 

「信じる者は救われる」のだ。

 

何を?

彼の場合、神と聖書だ。

教えにこの上なく忠実なのである。

ではなぜ神と聖書を忠実に信じる者が救われるのか?

それは神が正義だからである。

聖書は正義の辞書だからである。

神が正義?

そんな定義はおかしいですか?

 

では神が正義ではなく、正義が神を創り上げたのだとしたら。

神に忠実という事は正義に忠実という事。正義とは正しい事。

正しい事とは真実である事。

つまり神とは結局の所「真実」なのである。

だから神は目に見えないのです。

 

信仰とは真実の探究なのですね。真実に気付いた時、人は初めて救われるのだ。

⭐️3.7

THE 4TH KIND   2009 アメリカ
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ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の実話を元にした半ドキュメンタリー映画。

 

アラスカで年間300名を超える不眠症者と行方不明者が出ていて、それは宇宙人の仕業であるという、変なお話。

後に制作者側がヤラセだったと公表したが、何かクサイ。

  

気になったのはそんな内容ではなく、映画の中で地球外生命体がシュメール語を使用するという点。

 

シュメールとは人類初の文明。

その高度な文明社会は未だに多くの謎を秘めており、現科学力をもっても解読が不可能な事象が多々ある。

 

もしシュメールが宇宙人によってもたらされたとしたら、当時不可能と言われた高度な技術力もつじつまが合う。

夢物語のようだがもしそうであれば、なんてスペクタルなんだろう。

 

と、全くストーリーとは別の事を考えれた

映画でした。

⭐️1.0

チョコレート 2001 アメリカ
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他レヴューではあのセンセーショナルな濡れ場にはあまり触れてないのが意外でした。

 

愛と優しさを持ち寄りお互いを気遣いながらふれ合う、愛する人とのセックス。

ではなく。

ギリギリの精神状態で糸が切れたかのように、獣のように求め合う2人。

 

子供を作る為の行為ではなく、恋人同士のスキンシップでもなければ、快楽や欲望を満たすものでもない。

そんなセックスは生涯そうそうあるものではない。

 

原始的で本能的なその濡れ場は非常に高度な演技故、観続ける事に罪悪感すら湧いてくる。

 

監督の演出を見事に汲んだハルベリーの圧巻に脱帽。

⭐️3.8

アキレスと亀  2008 日本
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売れない画家の一生を描いたもの。

北野武特有のダークファンタジー。

人が死にまくり、後半ダレる。

 

映画はさほど評価できるものではないが、そんな中でも1つ印象的なセリフがあった。

それは大竹まこと扮する屋台のオヤジのセリフでこんな内容だ。

  

「飢えたアフリカの子供達に食料とピカソの絵を差し出したら一体どちらを選択するか?」

というもの。

  映画では売れない画家が「俺はピカソの絵を選ぶ!」と言うが、屋台のオヤジはバカな事を言うなと言い返す。

 

芸術は極限の絶望と緊張の中でどれ程の役目を果たせるか?

このセリフからはみんな懸命に生きてるのにのん気に絵など描きやがってという、どこかアンチめいたものを感じる。

 

屋台のオヤジは生死に関わる人間の活力に、芸術など無力なのではないかと言っているのだ。

確かに絵を見て腹は膨らまないし、喉は潤わない。

傷口をふさいでくれるわけでもないし、敵をやっつけてもくれない。

 

芸術の存在意義とは何か?

 

作品そのものが物理的であっても、そこから感じた感情の変化は目に見る事など出来ない。

目に見る事が出来ないものはどこで感じるのか?

もちろん心である。魂である。

芸術の存在意義は肉体を超えた精神にこそある。

それは「映画」も例外ではない。

 

飢えをしのごうとする欲望はこの上ない肉体的行動だ。

肉体的行動は動物的でいつの時代も我々人間界に良い結果をもたらさない事は歴史が証明している。

我々がより良くなるためには精神性以外にはあり得ない。

 

芸術とは人間がより人間らしくなる為の手段だ。

それは時に生きる上での道しるべであり、真実の鏡となる。

人間がもっとも人間らしく生きる事とは真実に添った正しい決断をする事だ。

  

私はいつでも心の空腹を満たしていたい。

さすれば精神はいつでも高らかに解き放たれるのだ。

満たされた精神は肉体の飢えなどあっさり凌駕する。

 

ゆえに私の答えは「ピカソの絵」である。

 

お付き合いありがとうございます。

⭐️2.0

孤狼の血 2018 日本
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「渇き。」で見せたぶっ飛んだオヤジ像が今回も健在の役所さん。

この気怠さとか男臭い感じを出させると右に出る者がいないくらいのはまりっぷり。

 

昭和半ばの○暴を描いたストーリー。

○暴ってその存在自体を面白く切り取れる稀有なモチーフだと思う。

 

ヤクザ映画には付き物のバイオレンスをきちんと要所要所に散りばめ、最後まで丁寧に作られた作品。

駆け引きや心情の変化も感じれるような脚本で、途中ダレる事もなかった。

 

存在感という面では桃李くん、弱い。

役柄とかではなく、弱い。

なんだろか、多分、「ヤクザ」とか「暴力」とか「○暴」とか、そういったカテゴリーを全く感じさせない「人柄」かなぁ。

この映画にイケメン若手俳優はお呼びじゃないよーな。

ただ、終盤ボッコボコにしてたのは爽快感ありました。

濃い濃い主人公が居なくなってもなお、画が持つのはやはり、豪華キャストと見せ方のうまさだと思う。

⭐️4.0

イレイザーヘッド   1976 アメリカ
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デヴィッドリンチは映画監督というより現代アーティストと捉えるほうが私的にはしっくりくる。

確か3つぐらい美大出てたような。

今もコンスタントに絵画作品も発表してるし。

 

リンチ作品はよく「アート」として評される場合が多く、今作においてもそれは例外ではない。

 

リンチに限らず「よく分からない」という作品を挙げ句、「アート」と一括りにしてしまう感は甚だ納得いかぬが、

例えば「シンドラーのリスト」を壮大なアートとして捉える場合、それをレオナルド・ダ・ヴィンチやモーツァルトと仮定すると、本作はフランシス・ベーコンやジョン・ケージ的に捉えられ、これまた同じアートでも見方は変わってくる。

 

そこには近代と現代の違いが明確にあり、現代アートとしての映像作品をきちんと「映画」としてカテゴライズしたのがリンチの功績に他ならないのでは。

 

今作の精神異常者の悪夢を寄せ集めごちゃ混ぜしたような映像と音は、起承転結を無視し突拍子なく、かつコンセプチュアルでコンポジションな故、うん、やはり「アート」と呼びたくなる稀有な作品なり。

⭐️2.5

 

バベットの晩餐会 1987 デンマーク
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料理は人間の為せる最大な事の1つであると再認識させられる作品。

もっとも原始的な欲を満たし幸福をもたらす魔法。

この映画を見た後、心は満たされるが腹がすく。

 

ラスト、バベットのセリフに当時貧乏画学生だった私は救われました。

 

「貧しい芸術家などいません」

 

金や名声や地位だけでは心の貧しさは埋められない。

創造を想像しながら日々生きる芸術家の心のどこに貧しさなどあるものでしょうか。

⭐️4.4

アキレスと亀  2008 日本
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売れない画家の一生を描いたもの。

北野武特有のダークファンタジー。

人が死にまくり、後半ダレる。

 

映画はさほど評価できるものではないが、そんな中でも1つ印象的なセリフがあった。

それは大竹まこと扮する屋台のオヤジのセリフでこんな内容だ。

  

「飢えたアフリカの子供達に食料とピカソの絵を差し出したら一体どちらを選択するか?」

というもの。

  映画では売れない画家が「俺はピカソの絵を選ぶ!」と言うが、屋台のオヤジはバカな事を言うなと言い返す。

 

芸術は極限の絶望と緊張の中でどれ程の役目を果たせるか?

このセリフからはみんな懸命に生きてるのにのん気に絵など描きやがってという、どこかアンチめいたものを感じる。

 

屋台のオヤジは生死に関わる人間の活力に、芸術など無力なのではないかと言っているのだ。

確かに絵を見て腹は膨らまないし、喉は潤わない。

傷口をふさいでくれるわけでもないし、敵をやっつけてもくれない。

 

芸術の存在意義とは何か?

 

作品そのものが物理的であっても、そこから感じた感情の変化は目に見る事など出来ない。

目に見る事が出来ないものはどこで感じるのか?

もちろん心である。魂である。

芸術の存在意義は肉体を超えた精神にこそある。

それは「映画」も例外ではない。

 

飢えをしのごうとする欲望はこの上ない肉体的行動だ。

肉体的行動は動物的でいつの時代も我々人間界に良い結果をもたらさない事は歴史が証明している。

我々がより良くなるためには精神性以外にはあり得ない。

 

芸術とは人間がより人間らしくなる為の手段だ。

それは時に生きる上での道しるべであり、真実の鏡となる。

人間がもっとも人間らしく生きる事とは真実に添った正しい決断をする事だ。

  

私はいつでも心の空腹を満たしていたい。

さすれば精神はいつでも高らかに解き放たれるのだ。

満たされた精神は肉体の飢えなどあっさり凌駕する。

 

ゆえに私の答えは「ピカソの絵」である。

 

お付き合いありがとうございます。

⭐️2.0

沈黙-サイレンス- 2015 アメリカ
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心から神を崇めた事がないので、言える立場でもないし、浅はかな事かも(←ここ大事)しれないが、「信者」が見つめる先にあるものって一体、「者」なのか、「物」なのか、「もの」なのか???

 

偶像?十字架?天?

 

神父の「物」に群がり有難む民衆。

踏み絵で試される信仰心。

「棄教する」と唱えなければ止まない

拷問。

うーん・・・

 

踏み絵を踏まなければ首を刈られる。とか。

分かっていながら踏まない。とか。

偶像を踏み付けたら信仰心は失われる?

それで神はそっぽ向く?

その思考回路が逆に信仰心の浅はかさに思えてならない。

その浅はかさの先にある最終地点は

「どうして神は沈黙する!!」

という怒り。

 

宗教を信仰する事で起こる「神」という絶対を疑ってやまないジレンマ。

神とは?

(この辺は以前レヴューした「ヤコブへの手紙」で書いてますのでご参考までに)

 

映画的には日本人皆んなが英語ペラペラで違和感満載。

言い方悪いが汚ったない農民の爺さんまで英語話してて‼️ってなった。

強い信仰心は英語すらも容易に覚えてしまうということ?ここもノンフィクション?

 

今なお続く隠れキリシタンの独特な風潮からも、信者達の並々ならぬ信仰心は理解できる。

理解できるが負に落ちない。

今作でも始終この「負に落ちない」が付き纏い、深くてセンセーションな題材に傾くかと思いきや「茶番」という辛口評価を付けたくもなった。

それはこれがノンフィクション故だ。

実際はノンフィクション映画なので、キャスティング、演技、演出等々で星3です。

⭐️3.0

グレイヴ・エンカウンターズ  
2011 アメリカ
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1、2鑑賞。

評価低くても「面白い」ってゆー矛盾は分からなくもない。

お化け屋敷は偽物と分かっていても怖い、その矛盾と似ております。

 

精神病院で、閉じ込められて、1人づつ消えてって、絶望感がマシマシで、奥の奥には元凶あって…。

 

おもしろそーやろ

⭐️2.5

 

ルック・オブ・サイレンス 2014デンマーク・フィンランド・インドネシア
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インドネシアの9月30日事件を題材にした「アクト・オブ・キリング」はその話題性から多くの人が目にした映画だが、実はこれには「ルック・オブ・サイレンス」なる続編があり、こちらはあまり話題にならないが、姉妹品なので2個1で見てほしい。

 

日本でも有名なスカルノ大統領の失脚はここから始まり、軍が政府に対してクーデターを起こし民間人も一緒くたになり共産主義者狩り(虐殺)を始める。

その数1年間で200万人に登るとされる。

 

記憶に新しい所では2014年のタイでの軍事クーデター、翌年未遂に終わったがトルコでも。

いづれも政変を望むもので「政府←→軍」の対立構図は同じである。

 

隣人がある日突然殺人鬼になる恐怖は、かのルワンダを彷彿させる。

現在もなおそんな恐怖と共に毎日を過ごすインドネシアのリアルだ。

⭐️2.6

聲の形  201 日本
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ヒロインなんで髪ピンクなん?

シリアスな内容に合ってない。

 

ストーリーや展開が面白いだけにそこだけ残念。

⭐️3.5

カティンの森 2007 ポーランド
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ポーランド派の映画は色々見てきたがワイダはやはり抜きん出ている。

抵抗三部作は言わずもがなだが、後期の「菖蒲」や「カティンの森」はまるで抒情詩のように作り手と受け手がリアルに接触する感覚に包まれた。

特に今作は監督自身の父親の命を奪ったポーランドの闇を題材にしていて、氏晩年の集大成と感じる。

 

ラストの沈黙。

涙を流すか、胸が締め付けられるか、息を呑むか。

私は自然と目を閉じていた。

⭐️4.2

マイ・フレンド・フォーエバー  
1995 アメリカ
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郷愁と親愛に満ちた感動作。

 

転校する前に毎日遊んだ1つ下の「かっちゃん」を思い出す(笑)

 

冒頭のチョコレートをレンジで溶かしフォークとナイフで食事するのを、キットカットでマネしたバカです。

 

邦題の「マイフレンドフォーエバー」がダサすぎるので、「the cure」に戻してほしい…(いまさら)

 

音楽素晴らしい。

⭐️3.5

 

 

イントゥ・ザ・ワイルド 2007 アメリカ
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全てをかなぐり捨ててたった1人になりたい瞬間って誰にでもあると思う。

 

日本はとてもシステマチックな社会構築で「常識」とか「秩序」とか「一般的」といった部分に強いおもむきを置く。

幼稚園、小中高、大学、就活、就職、定年、老後。

ほとんどの日本人はこのガチガチに決められたレールの上を走り、そしてこれが「正しい」とされ、そのうち常識化されて疑うことすらなくなった。

 

考えずしても生きながらえる社会。

これはある意味民主主義の極地であり、かなり高度な文明社会でもある。

高度故にレールに乗り切れない者は自ら命を絶っていく。

日本の年間自殺者は10万人を超える(突発性、遺書無し含む)。

年間でこの数を超える戦争死者は現状世界に存在しない。

とても生きやすくとても生きづらい。

 

 

 

そんなある日、ある人は気付くのだ。

「あれ?あらら?」

 

「この真っ直ぐでなんの変哲もないレールは果たして正しい道なのか?」と。

 

その違和感がリミットを超えた時、この人の場合「旅」を選んだんだね。

 

大都会で働いて現状を維持する事と、大自然のなか己の腕一本で生き抜く事は、結局「衣食住」を成り立たせるという面で目的は同じである。

どちらも「生きる為」なのだ。

だからこそラスト「死にたくない」と足掻き苦しみ懇願するのだ。

彼は若い。

彼にもし妻子がいたら、また別の選択肢があっただろうね。

 

余談だが、妻子いる30人のプロサバイバーを無人島に放置すると、物理的に生き抜くことは出来ても、100%強い孤独感に襲われその大多数が数日、数十日で家族への想いでリタイヤする。

 

社会システムの保証の中で生きるか、

自然相手に孤独と生きるか。

一長一短。

どちらにしても生きるのは楽ではない。

⭐️3.2

 

若おかみは小学生!  2018 日本
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ヒロイン少女が良い子すぎ。

両親亡くしてもっと閉ざしてるかと思いきや早々に吹っ切れてて謎。

成長の過程を見せてくのではなく大人より大人で謎。

お子様も見れるように分かりやすい設定なのでしょう。

序盤に「悲しみ」をもう少し振ってくれたらギャップで惹かれるのですが、始終ポジティブで明るいので拍子抜けが最後まで残ってしまった。

⭐️2.0

ラストレター 2020 日本
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始終静か。

若干の入り組みはあるが起伏がなく寝落ちしそうになった。

 

前半はひたすら手紙のやり取り。

それがストーリー上大事なんだけど、間延び感は否めない。

 

トヨエツに中山美穂、庵野秀明といった脇役にも注目。

カラテカ矢部が一瞬出てくるのでお見逃しなく。

 

豪華キャストと広瀬すずの透明感で観れた。

⭐️2.4

アンチクライスト 2009 デンマーク
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SEX中に幼い息子がベランダから転落し、亡くしてしまった夫婦のその後。

 

精神科医でもある夫は、精神の破綻した妻を救おうと催眠療法の末とある森の中で治療を始める。

前半はシリアスに話しは進むが後半になるにつれ映像、内容共にトリアー独得の異常な世界観へと変貌していく。

バイオレンスで異常なそれらは全て妻の心境を表現する為の手段に思えた。

 

カンヌ上映時、あまりの痛々しさに数名の失神者を出し(これ毎回ほんとなの?)、各メディアにて物議をかもした。みたい。

 

題名に込められた「反キリスト」の意味は分からなくもない。

カンヌにてシャルロット・ゲンズブールが主演女優賞。

⭐️2.4

 

 

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享年27歳。

世界でもっとも有名な黒人画家。

今なお高い人気を誇り、ユニクロ始め沢山のブランドともコラボしている。

 

監督はニューペインティングの先駆者であり、レッチリのbythewayのジャケットでも有名なジュリアンシュナーベル。

劇中ではゲーリーオールドマンがシュナーベル役、デヴィッドボウイがアンディーウォーホル役と今見直しても楽しめる。

 

マドンナとの色恋沙汰やウォーホルとの展覧会など時代の寵児として短い人生を駆け抜けた異端は、やがて精神を崩壊させ、魔の27という数字に呪われこの世を去った。

 

あの世ではユニクロじゃなくてカートコバーンとジミヘンとコラボしてるんだってさ。

⭐️3.0

 

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ソナタとはクラシック用語で室内楽曲を指す。

多くは多楽章なので、

そうか、

善き人のためのソナタ

とはそういうことか。。

 

主人公は盗聴。

 

壁の向こうの音は音楽。

壮大な物語を何章にも分けては奏でる。

時に激しく時に優しく、

時に楽しく時に哀しく。

 

まともな感受性を持つ男は揺さぶられ動かされ心打たれる。

こんな感情の変化を静かに演技するのは難儀だと思う。

名優ミューエへ拍手。

⭐️4.0

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the smiths好きなシャイボーイが運命の人と初めて結ばれた喜びをフラッシュモブ風に演出。だったり、

うまくいかないわだかまりをモノクロ映画で表現。だったり、

タイトルにもなっている500日の時間軸を行ったり来たりで飽きさせないストーリー。だったり。

と、面白味のある作品だった。

 

似たような経験のある方なら(私がそうw)共感できる部分も多く、「若気の至り」や「恋は盲目」が何度も頭をかすめた。

 

the smithsフリークなのでBGMでもっとかかるかなぁと期待したがそれはなし。

 

ラストのオチは思わずふいた。

⭐️3.0

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奴隷商」という職業が当たり前に存在してた時代を舞台に、鮮血とガンアクションと殺し合い満載のタランティーノ節炸裂作品。

 

今や伝説となったディカプリオ流血シーン。

 

概要

怒り狂ったディカプリオが机を叩く場面。

その際誤ってワイングラスを叩いてしまい手のひらばっくり。通常カットがかかる所をタランティーノもディカプリオも止まらず。

その後迫真の演技を続け、最後に奴隷の黒人女性の顔面にその血をべっとりと塗りたくる…。

 

私は初見、これを知らずに観たが、この情報はあえて知ってから見たほうがいいと思う。鼓動が早まります。

 

あれだけ流血、血ノリたっぷりで魅せようと努める監督を横目に、もっともリアルな「血」で魅せるレオ様、かっくいい。

 

何はともあれ、黒人女性に訴えられなくてよかたね。

⭐️2.5

 

残酷大陸  1971 イタリア
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今日、前の車が窓からタバコをポイ捨てしてた。

何となくバックミラー越しに年配の方だと分かった。

このご時世、いまだに車から堂々とタバコをポイ捨てする輩がいるんだなぁと少し不愉快。

 

と言うのもタバコは葉の部分は自然にかえるが、フィルター部分は残りゴミとなる。

そのゴミを鳥や魚が食べると消化不良を起こし死に至る。

 

運転しながらそんな事を淡々と思っていると、益々腹が立ってきた。

が、しかし。

 

ひと昔前は大人の男ってのはタバコを吸わない人のほうが少なく、デパートでもファミレスでも車でも家でもなんの躊躇もなくプカプカしてた訳で。

そして吸ったらその辺にポイっと捨てるなんて日常茶飯事で。

そんな事が常識な時代を生きてきた人にとってはポイ捨ては「悪」とすら思えない。

 

時代と共に善悪の価値観は変わってくる。

それは文化や科学の発達や倫理観の向上、文明の成熟によるものかもしれない。

 

私とポイ捨てオヤジは同じ時代を生きながら、その価値観という面では対立する。

 

「差別」への認識もまたジェネレーションギャップや地域、組織、国で大いにズレが生じる。

 

「差別はなくなる」

「差別はなくならない」

このたった2つの言論にすら既に「差」が生じている事にお気づきだろうか?

だからこそ差別は減る事があっても決してなくなるという事はないのだ。

 

ついこの間まで黒人は家畜、いやそれ以下の扱いとして白人に支配されてきた。

そしてその遺恨は深く現代においてもまた様々な問題を浮き彫りにする。

ひゃんなポイ捨てから始まった今回の妄想は、今一度この残酷な世界を観せるきっかけとなった初夏の夕暮れでした。

⭐️2.2

oasis:supersonic  2016 イギリス
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今や伝説のバンドの仲間入り。

彼らの絶頂期に青春時代を過ごせた自分は幸せ者。

 

新しいことをやってる訳でもなく、パクリや使い回しも多々あり、曲も大衆主義で分かりやすい。

こういったバンドがごまんといる中、どうしてオアシスだけ抜きん出たのか…。

 

この作品を観ると理解できる。

この天性の不良感、天性の悪ガキ感がポップスなのにロックのパウダーをまとわすので人は惹かれる。

 

マ○コ野郎が口癖の兄ノエルと圧倒的な存在感で観客にメンチ切りつつセンター張る弟リアム。

マンチェスターの不良兄弟が織りなすサクセスストーリー。

 

今見てもやはり1st、2ndの頃のオアシスが最強だったんだど、ボーンヘッドに想いを馳せる。

⭐️2.5

子宮に沈める 2013 日本
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スターウォーズやゴッドファーザーやタイタニックは紛れもなく「映画」であるが、いや、しかし、今作もまた「映画」である事実の戸惑い。

 

監督が居てキャストが居てセリフがあって物語が展開して…

 

それでも映画に接しているという感じにはなれなかった。

「娯楽」としての映画からもっとも遠い位置にあり、「目を背けてはならない」お決まりの文句がリアルに突き刺さる。

その最大の原因は「実話」であるうえに、この事件の衝撃がまだ頭の片隅に残ったままでの鑑賞だったからかもしれない。

 

そしてふと鑑賞後に頭に浮かんだ言葉は

「アガペー」

だった。

アガペーとはキリスト教において、神から人々に対しての無償の愛のことで、「それをも包み込む大きな愛」を指す。

 

幼い子供を放置し餓死させたネグレクトのノンフィクション映画にどうしてアガペーを感じたのか。

 

よく言われる親から子に対しての無償の愛。

ではなく、子から親に対してのどうしようもなくピュアで壮大な無限の愛を感じずにはいられなかった。

どんな仕打ちを受けても母を求めるその姿。

ママ、ママ、ママ、ママ、ママ。

 

幼い子にとって母親とは世界の全てであり、愛の矛先である。

それは紛れもない無償、無限、無垢、無意識な一人称アガペーに他ならない。

 

 

最後に。

忘れてはならないのは今この瞬間も虐待、ネグレクトは行われていて、子供達の悲痛な叫びが存在している事実。

それは通りすがりの子かもしれないし、すぐ隣のアパートの子かもしれない。

私達にできることとは…。

 

 

総じて

心痛の極み。

⭐️4.3

ピアニスト  2001  フランス
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ハネケらしい少ない登場人物を濃厚に描写。

主要テーマにアダルティズム。

 

性、母娘、自尊心、愛、これら全てが変態単位で歪んでいる。

 

人はどうしても(無意識にでも)親を肯定する為に生きる部分があり、それはすなわち自分自身の肯定に繋がり、果ては子の肯定へと繋がる。

そんな因果なスパイラルの中を永久的にぐるんぐるん廻ってる。

 

どの家庭でもきっと子育てとはどこか洗脳であり依存である部分はあるが、子の成長と共に切り離していく事が、「家庭」という小社会から羽ばたかす親としては1番大事な役目だと思う。

 

それが壊滅的に破綻した今作。

アブノーマルな性癖がノーマルとしか思えないヒロインは恋すらもままならない。

始終「呪縛」の二文字が支配する。

 

 

ステラが二階の陽の当たるラックにあるなら、今作は地下室奥の箱の中に隠されている。

そんな作品。

⭐️3.2

 

望み   2020 日本
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このパラドックスみたいな主題、
結局どっちを「望む?」ってことなのでしょうが。

愛する息子が
被害者なのか。
加害者なのか。

被害者=息子の死
加害者=殺人犯

メディアが起こす集団心理の狂気が恐ろしい。
親はどんな事があろうとも(息子が殺人犯だとしても)生きてさえいればそれでいい。と。
これは真理だと思う。

でもなんだろか…。
最後に流れる時間の安堵感たるや。
肝になってくる妹の存在。

鑑賞しながら「実際こんなこと往々にしてあり得るんだろうなぁ」と思いながら、
だからこそ「自分だったら?」と息子のいる自身に常に問いかけながら観ていた。

うちの息子はまだ小さいが、高校生ぐらいの息子さんをお持ちの方にはより刺さりそうです。

⭐️2.8

ソドムの市  1976 イタリア
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もう半世紀ほど前の作品になるのですね。
綺麗な映画ですが、だからこそ「作品」と呼びたくなりますね。

当時はかなりセンセーショナルだったのでしょうが、半世紀分それも半減致します。さすがに。

食糞、少年少女愛、理不尽、拷問、強制性交。
サド。

胸糞映画のトップに君臨し続ける本作。
そのレッテルが作品価値を下げてしまってるのが残念。

個人的にはこんな程度で胸糞にはなりませんがね…。
「映画」としての面白味には欠けます。
絵画や詩のように「作品」として鑑賞できるかどうかです。

⭐️3.0

歩いても歩いても 2007 日本
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男は見栄です。
見栄と哀愁です。
女性からしたら鬱陶しい限りですが、
見栄と哀愁のない男はぺらんぺらんで詰まらん。

見栄をうまく張れる男はカッコいい。
見栄って実力が伴わないと張れるもんじゃないし、実力も実績もなくして見栄張る奴はただのイタイやつ。
(実力も実績もあるのに見栄も張らないのが1番良い?)

どちらにしても、見栄張ってる男がいたら温かく見守ってね。
その見栄のバカバカしさに気付いた時、哀愁が生まれるから。


どこにでも居そうな一家族の群像劇。
どこにでも居そうな家族にも楽しい悲しい歴史があり。
どこにでも居そうな家族だからこそ私達も身近に感じたり。
どこにでも居そうな家族の物語なので起伏も穏やか(たいくつ?)。

男の見栄と女の抱擁(もしくは俯瞰)が色濃かった昭和な家族のひとときを覗いて下さい。

⭐️2.2

血と骨  2004  日本
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なんだかタケシさんの演技が無性に観たくなり、公開から17年経って2度目の鑑賞。
「男」ではなく「漢」の臭気を始終まとわせた快作。

腑抜けになってしまった今の日本男児(自分も含め)に強烈な喝、超暴力、超雄度をご提供。

男尊女卑、DV、虐待、パワハラ等々、現日本の社会問題を一人の男が全てにおいてハイスコアで体現。

要は男は「力」であり、力のない者は老若男女問わず屈服し媚びへつらえと。
女には「脱げ!」、男には「働け!」と。
生肉を喰らい女を喰らい金を喰らう。

しかしながらこの力だけでねじ伏せる単細胞さには、一種独特な生の原動力みたいなものを感じる。
人並み外れた欲望と肉体はどこか神がかり、まさしく「化け物」と化す。

配役も脚本もカット割も丁寧に練り込まれ見応えはかなり。
エンディングも変な裏切りがなくて良き。

⭐️4.2

 

きみと、波にのれたら   2019 日本
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こ先週観て、「そうだ」と思いレヴュー書こうとしたが、中々思い出せない。
ぐらい印象薄かった。
絵は悪くないし、小洒落た感も、若々しい大学生の恋愛も悪くなかった、と思う。

なんだろか?

劇中、キーとなる「歌」。
この歌が思いのほか悪い。
なんでだろう?
違和感しかない。

なんでこんなに悪いんだろう?
と疑問を抱えながらエンディングロールを見て納得。
作品の「薄さ」にも納得。
予備知識があったら絶対観てないな…。

この劇中歌をもっときちんとした名曲にしてれば「映画」としての完成度は全然違ってたんだろうなぁ。
「君の名は」の劇中歌が全部EXILEだったら?と想像するだけで恐ろしい…。
大事。

一過性のキャストでものを作ると結局一過性になってしまう。
その見本のような残念な映画。

⭐️1.5

花束みたいな恋をした  2021 日本
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も妻と拝見。
奇しくも付き合って15年目の夫婦が、付き合って5年で別れてしまう恋人の映画を観るという。

「ふーん」「はぁ」「まぁね」みたいな私達お互いのリアクションに、いつまでも恋人で夫婦やれる訳ないやろ!的な、多少のいぶし銀さを感じたり。
それでもポップコーンに手を突っ込むタイミングが毎回妻と同じ事に「長持ちの秘訣かな?」と笑けてきたり。

なんともありふれた日常にごまんとある恋愛模様。
ことごとく普通の恋愛を見せられます。
別にそれが悪いとかじゃないけど、等身大過ぎて友人の恋愛見てるみたい。

「学生」から「社会人」に否が応にもならざるを得ないジレンマと、「好きな事」と「仕事」の両立の厳しさ。
夢の儚さ。
中学や高校にはない、ちょこっと大人な青春。

誰にでも花束みないな恋をした事があると思います。
忘れられない夏や一夜があると思います。
いや、誰にでもあるものではないかな…。
花束みたいな恋を生涯のうちに一度でもできたら、それだけで人生の宝ではないかな。
嫌いじゃないけど別れを選択する恋愛が、その相手が、いつの日か生きる糧となり力になる日がきっと来るよね。

大学生、就活組、20代前半の方々におすすめ。

⭐️2.8

Buffalo'66 1999 アメリカ
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確か初めて観たの高一ぐらいだったかなぁ。
2こ上の兄がDVD借りてきて、それを拝借したのを覚えている。
当時この映画はイケてる若者の代名詞(文字に起こすとえらくダサいな)的な面もあり、「バッファロー66見たほうがいいよ!」なんてドヤ顔で友達に宣伝してたっけ。
ミニシアター全盛期を代表するような作品。

ちょうどその頃私自身プログレッシブロックにハマってて、もちろん「キングクリムゾン」にも心酔してたわけで。
ヴィンセント・ギャロは大のクリムゾンフリークらしい。
劇中の「ムーンチャイルド」の使い方にも愛を感じる。
そういった意味でも当時の多感な自分には
刺さりに刺さった作品でした。

ギャロのその他の作品も観まくり、CDを買ったり、原美術館に個展観に行ったり、同じ服買ったり…
大好きだったなぁ。
って彼は俳優以外にも美術家やミュージシャン、モデルとしても活躍してました。

今どうなってんの?
全く知らん(笑)


本作はモランディの絵画のように色調はモノトーンに抑えられ、殺伐とした中にユーモアやシュールさが散りばめられている。
一見安っぽい作りにも見えるが、カメラアングルやセリフは洗練されてるし、一筋縄では行かない展開、構成は単純に「面白い」。

未だにヴィレヴァンなんかに行くとポスター置いてるし、根強い人気、というか「時計じかけのオレンジ」や「トレインスポッティング」みたいに(全然ジャンル違うけど)スタイリッシュでファショナブルというくくりでも映画史に残る、言わば名作なのですね。

⭐️4.0

悪の華  2019  日本
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原作コミック、ボードレール悪の華、
どちらも既読。
が、読んでなくとも映画として楽しめます。
基本、コミック原作は期待しないのだが、うん、思ってたより良い仕上がり。

最近後半ダルくなる映画が多かったけど、
今作は前半が原作忠実で逆にちょっと退屈だった(だから原作読まずにOK)。

コミックでもハイライトとなる教室での覚醒シーン。
どんな風に演出するのかと期待。
ここでリーガルリリーを挿入歌に。
いいですね。

セリフは始終暴言満載。
「クソムシ」とはいまや名言?(誰も使ってないけど)。
「セックス」というセリフもしょっちゅう。

とことん「普通」である事に対するアンチテーゼで展開。
「普通とは?」
と考える事すら考えなくなり、結局その積み重ねが普通を形成していくわけで。
その普通という気持ち悪さにどうしても反応するのはいつだって感受性感度が繊細過ぎるマイノリティ達で。

玉城ティナ演じる中村さんは「普通」から見たら変態であり逸脱し仲間外れな厄介者だ。普通側から見たらね。
他と違う考えを持つだけで
「普通じゃない」というレッテル。
偏見。
その間違いだらけの価値観に対し嫌気がピークとなった時「クソムシが!!!」と絶叫するのだ。

わかる。わかるよ。

私も中村さんのような女性がいたら好きになってしまうなぁ。
存在が稀有で。

兎にも角にも。
終盤、海のシーンでの玉城ティナが美しい。

⭐️3.4

 

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